カウアイ島を初めて訪れたのは2015年2月。
妹と旦那さんを相次いで天国に見送ったばかりのころで、
すっかり空っぽになって。
ああ、なにかが終わったんだ。
そんな時期の旅でした。
嵐のあとの晴天のような時間。
あっという間に大切な人たちがいなくなってしまったけれど、
でも、私は今たしかに生きているなぁと
ぼんやり空をながめていました。
時折、懐かしさと寂しさと悲しさがこみ上げては過ぎ去っていく。
波打ち際で足元をすくわれそうになるみたいに
去来する感情に押し流されそうになることもあった。
それをながめている自分は透明な気分。
ハワイの自然は優しくて
ともに旅をしてくれる仲間がいて
ごはんは美味しい。
大切な人を失った悲しみと、いま、この瞬間にある幸せ。
それが同時に自分のなかに存在していることが不思議だったけど、
ありがたかった。
***
カウアイ島でいちばん印象に残ったのが、島の西側のポリハレビーチでした。
彼岸とつながる聖なる地。
死者の魂があの世に還る場所と聞きました。
夕日が沈むころ、幻想的にかすみがかった空と海。
ああ、ここはこの世の果てだと思った。
静かで、穏やかで、寂しくて、懐かしくて、崇高で。
あの世がこんな場所ならば、
亡くなった二人もきっと大丈夫。
私は、もうちょっとこの世にいるね。
だからどうか安らかに。
あらためてお別れをして見送った。
***
今回、カウアイ島に行こうと思った一番の理由は、
もう一度、彼の地を訪れたかったから。
リトリートの行程には含まれていなかったので
延泊して行こうと計画していました。
文字どおり島の西の果て。
最後の5マイルは、舗装されていない砂利道の悪路を進まないとならない。
自分一人では行けない場所だから、
行けるかどうか不確実。
だけど、思いが通じたんだ。
予想しない展開で、たどり着くことができました。
ゆりかさんと、ゆりかさんのお友達のジャニカと3人の小旅行。
「せっかく行くならビーチで泊まっちゃえば?」
ゲストハウスのHamiちゃんの一言にインスパイアされて、
一泊、ビーチで過ごすことに。
オーガニックスーパーで食料を買い出しして、いざ出発。
「ビーチで泊まるのなんてはじめてよ!」とジャニカ。私もだよ!
3人でわいわいと楽しい道行きです。
まだ日が高いうちにポリハレ州立公園に到着。
砂浜の美しいビーチと北側のそびえ立つ断崖のコントラストが印象的だ。
徐々に日が傾いていきます。
美しい夕焼け。
たそがれどき(黄昏時)
おうまがとき(逢魔時)
現世と常世の境界
死者の魂があの世に還る場所
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その美しさに息をのみながらも、
彼岸とのつながりを感じながらも。
ああ、私は、こっちで生きていく。
その力強さと安心感を感じていました。
ゆりかさん、ジャニカと一緒にいられてよかったな。
夜は、満点の星空。
ビーチにタオルを敷いて、毛布にくるまって
天の川と月の下で眠りにつきました。
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翌朝は、
めいめいビーチをお散歩したり、ヨガや瞑想をしたり、海に足をつけたり。
朝のビーチのさわやかさを満喫。
「3人でサークルになりましょう」とジャニカが提案してくれます。
ビーチにトライアングルを作って3人で手をつなぐだけで、
とってもパワフル。
トーニング(声を出すワーク)をしたり
ジャニカのチャネリングのメッセージを聞きながら
それぞれの思いを分かち合います。
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この地がとても懐かしい。
未来というよりは、過去を感じる。
亡くなったひとたち、祖先からの系譜に守られている感覚がする。
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私は、そんなシェアをしました。
念願のポリハレビーチ再訪。
深く満たされる時間となりました。
そして、旅はつづく。
この日の午後は、異次元へのポータルと言われているマカウヴァヒ・シンクホールへ。
(つづく)
<カウアイ島リトリート体験記>
(1)地上の楽園 Lazy Farmer Raunchのツリーハウスで眠る。
(3)念願のポリハレビーチ再訪、魂が天に還る聖地(★この記事★)