遅ればせながら「シンギュラリティ」ってどういう意味なんだろう・・・?
などと思い、流行りの本を何冊か読みました。
落合陽一「超AI時代の生存戦略 ―― シンギュラリティ<2040年代>に備える34のリスト」(画像のリンク先はamazon)
佐藤航陽「お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)」
ちょっとぼんやりしているうちに、世界はこんなに変わっていたのかぁ!
と、新鮮な驚きと隔世の感を抱かずにはいられませぬ。
落合陽一さんも佐藤航陽さんも、ずっと年下の俊豪で、
「私も歳をとったわぁ」と野暮な独り言がつい口をつきます。
端的にいうと観ている世界がちがう。
「世界観」というのは、私が大切にしているキーワードのひとつで、
世界が変わらなくても、世界観が変わると、私にとっての世界は変わる。
これまでの人生で何度か「世界観」がバージョンアップするような体験をしてきて、
その度に、私の世界は何倍にも大きくなり、見える景色が全く変わってきました。
AIやシンギュラリティの専門的な議論については門外漢ですが、
知能や知性という領域が、人間固有のものではなくなりつつあるということは、
自分自身の拠り所を一部失うような心もとなさを感じます。
と同時に、「賢くあること」を手放してよいとしたら・・・?
私たちはもっと自由になれるかもしれない、とも。
お金・富・所有、それらを得るために働くということについても、
無数の「かくあるべき」に縛られている私たちですが、
その前提条件が大きく変わろうとしている。
2冊とも、「世界はこんなものだ」という概念を、おおいに揺さぶられる内容でした。
その流れで、ただいま読み進めているのは、
ユヴァル・ノア・ハラリ「サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福」(上下巻)
人類の一種族であるホモ(ヒト)属のサピエンス(「賢い」という意味!)の歴史を大局的かつ精緻に解き明かしていく世界的ベストセラー。
まだ読み始めたばかりですが、読み手をぐいぐい引き込む筆力に圧倒されています。
そして!
一押しはこちらです。
ダヴィンチ・コードなどで有名なダン・ブラウンのラングドン教授シリーズの最新作「オリジン」。
「我々はどこから来たのか、どこへ行くのか」という命題をめぐり、「進化論」と「人工知能」による謎解きが展開していきます。
ネタバレはつまらないので、結末は読んでのお楽しみ。
人類の起源、AIや来るべきシンギュラリティについての予備知識を仕入れたタイミングで読んだので、何倍も楽しめました。
本記事のトップ画像は、
フランスの画家、ポール・ゴーギャンの代表作のひとつ
『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』
(仏: D’où venons-nous ? Que sommes-nous ? Où allons-nous ?)
「オリジン」の中でも、キーとなる絵画として登場します。
毎度のことながら、エンターテイメントとしても秀逸で、一気読みしちゃいました。
舞台は、スペインのバルセロナ。
もう15年ぐらい前になるのかしら。
大学の卒業旅行に、妹と2人でスペイン旅行に行って、最後に訪れた街でした。
マドリード、セビリヤ、グラナダ、バルセロナ。
都市によって歴史や街並みが全然違っていて、その中でもバルセロナは異色だったのをいまでも鮮明に思い出します。
バルセロナといえば、ガウディ。
本人の死後もなお、増築が続けられている歴史的建造物って・・・
あんなデザインほかにみたことないです。
(Photo by C.Messier /View of Sagrada Familia from Placa de Gaudi. The cranes have been digitally removed./CC BY 4.0)
この本を読みながら、
出かけるのが億劫で、家から徒歩2分のところにスーパーがあるのに、
はじめてamazon freshで食材を買ってみました。
注文したその日の夜に、納豆やきのこやサーモンが玄関まで届く。
そんな世界が、もう現実のものとなっていることにも驚きます。
AIがテーマのエンターテイメント小説を読みながら、amazonで食料品を届けてもらう。ある意味、新しい時代の生き方なのかもしれません。
どこまでも便利さや快適さを求める人間の性が、こわくもありますが。
わたしは、わたしたちは、どこにいくのでしょうか。
どこにいきたいと願っているのでしょうか。
一連の本を読んで、思考の枠組みが少しバージョンアップされたかな。
そして、バルセロナは近いうちに再訪したいと思います。